ソフトウェア概要

i3Monsakunは、加減算と乗除算の算数文章題を対象とした作問学習支援システムです。
画面の右にあるカードを三つ組み合わせることで、左上に出てくる課題にあった問題を作ることが課題です。そのため、問題づくりの余分な手間は一切ありません。また、システムに実装されたAIが、作成された問題が正しいかどうかを判定します。もし間違っているのであれば、正しい問題を作るためにどうすればいいかを教えてくれます
この結果、短時間で多くの作問が可能になり、試行錯誤しながら作問学習を繰り返すことで、算数文章題の理解が深まります。また、式に合う「数量」、「オブジェクト」、「助詞」の3つの関係を、試行錯誤して問題を組み立てながら論理的に算数文章題の構造を考えていくことは、プログラミング的思考にもつながります

加減算の算数文章題の作問アプリ「i3Monsakun 1」

カードを組み合わせることで課題にあった問題を作るアプリで、たし算とひき算の算数文章題を対象にしています(おおよそ小学校1-2年生用)

演習は学習段階ごとに分けられており、レベル1-3までを実装しています。まずはレベル1から挑戦してみましょう。

i3Monsakun 1の
スクリーンショット

乗除算の算数文章題の作問アプリ「i3Monsakun 3」

カードを組み合わせることで課題にあった問題を作るアプリで、かけ算とわり算の算数文章題を対象にしています(おおよそ小学校3-4年生用)

演習は学習段階ごとに分けられており、レベル1-9までを実装しています。まずはレベル1から挑戦してみましょう。

i3Monsakun 3の
スクリーンショット

作問学習

問題を「とく」のではなく「つくる」ことによる学習です。そのことにより、算数数学の根本にある条件の関係を構成する力が育成されます。単なる計算する力だけでは、問題を正解することは困難です。この演習を繰り返すことで、計算の構造が理解され、文章題の理解力が向上します。

子どもが意欲的・主体的に学習でき、様々な力を伸ばせる

本ソフトはタブレット上で楽しく学習できるものであり、子ども自身が問題を作りながら学べるので、学習意欲を育みます。また、システムが誤りを理由と共に指摘してくれるので、子どもが自身の活動を振り返り、自己評価することで、主体的な学習も促すことができます。
演習としては、演算の構造(全体と部分の関係や演算の意味)を理解することができ、数学的見方・考え方のポイントである条件の関係性が身につきます。また、各部品(カード)の性質を捉え、試行錯誤しながら目的の問題を作り出すことで、プログラミング的思考力も伸長されます。

教師の指導を支援する

文部科学省の学習指導要領を強く意識した学習方法を取り入れることができます。ICTとAIを活用することで、作問課題の提供や子どもの回答の採点といった負荷は自動化されるため、授業の効率化を図ることができます。また、一人一台のタブレットを利用することで、一人ひとりの学習の進み具合に応じた個別の支援ができます。加えて、問題解決の過程において、協働的な学び合いを仕組むことができます。

学習指導要領で求められる今後の授業改善も解決

これからの教育には、主体的・対話的で深い学びが重んじられ、自ら学びに向かう力や、思考力・ 判断力・表現力、情報活用能力、プログラミング的思考など多くのことが求められています。 「i3Monsakun」を用いた作問学習では、ICTの活用により、子どもの意欲や様々な能力を育みます。

2020年度 学校図書版 算数科デジタル教科書 採用

本ソフト「i3Monsakun」は、学校図書版の2020年度算数科デジタル教科書(1年〜3年生用)に採用されています。

2017年度 人工知能学会現場イノベーション賞 金賞受賞

広島大学学習工学グループ(大学院教授 平嶋宗 他7名)の研究 「単文統合型作問学習環境『モンサクン』の開発と算数科教育の現場で の実用化」が、人工知能学会でその実用性を高く評価をされ、2017年度 「現場イノベーション賞 金賞」を受賞いたしました。実際の教育現場 におけるその効果と実用性が証明されました。

「とく」算数から「つくる」算数への転換<発案者の考え>

“「学び」の本質は「わかる」ことです。そのための1つの方法が「とく」ことですが、今日的にはそのこと がすべて望ましい方法ではありません。望ましい学びに導く方法として「つくる」ことが優れていることは 理論的にも実践的にも古くから知られています。しかし、「つくることによる学び」は、非常に手間のかか る活動であり、敬遠されてきたのが現状です。 モンサクンでは、「つくる」ことによって「わかる」をその活動本来の効果を保ちつつ、効率的に授業の中 に取り入れることができます。モンサクンの背景にある情報構造のモデルは国際的にも高い評価を得ており 最先端のICT活用実践として知られています。モンサクンに関する研究は、AIのシミュレーションから始ま ったものですが、算数数学の教育現場を変えるツールとして、ぜひご活用いただければと思います。”

広島大学大学院 工学研究科 情報工学専攻学習工学研究室
教授 平嶋 宗